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2015年を振り返って
今年ももうあと僅かになりましたね。
年末は「お正月を新しい畳で迎えよう!」というお客様が多く、畳屋としては一年で一番忙しい時期です。
12月は休日返上でみんなで頑張って畳を作りました。
最後の施工も終わり、今年一年を振り返ってみると、無我夢中でやってきましたが本当に色々なことにチャレンジした1年だったなと思います。
思えば、宣伝といえば電話帳の広告くらいしかしてこなかった村の地味な畳屋が初めてホームページを開設したのも今年からでした。
ネットを通じてご注文をいただいたお客様の多くに「どこの畳屋さんに頼めばいいか全く情報が無くて困ってたよ」といわれ、畳離れが進む現状で情報発信をしてこなかった自分達の努力不足を痛感しました。
そこで「四代目修行日記」というブログやお店のFacebookページを開設して畳への自分達の想いを積極的に発信していきました。
飽き性な自分がなんとか1年続けてこれたのは、ブログやFacebookを見て声をかけてくださったり、「いいね!」で応援していただいた皆様のおかげだと思います。
本当にありがとうございました。
子ども達や地域の方々に畳や畳職人を身近に感じていただこうと、創業100周年記念のオリジナルキャラクターも制作しました。
普段はキャラクターなどに全く興味がなかった自分がまさかこういった仕事をするとは思いませんでしたが、友人・知人にアドバイスを聞いて回ったり、Facebookで投票をして頂いたり、大変でしたがとてもエキサイティングな経験になりました。
名前は創業者である曾祖父の名前を取って「敏之介」と命名しました。
畳工事を施工していただいたお客様にプレゼントするぬいぐるみストラップも完成し、特に子供達にはとても喜んでもらい、当店の宣伝部長として活躍してくれています。
4月には宇都宮の畳の学校にも入学し、30才にして1年生になりました。
震災があって家業に入り4年が経ち、少しづつやりたい事や今の自分に足りない事が見えてきて、畳についての基礎をもっと固めるために思い切って学校の門を叩きました、
普段機械を使って製作している畳を、昔ながらの技術で全て自分の手で作る練習は慣れない事ばかりですがとても楽しいです。
毎週往復5時間をかけて通学し、怪我をしながら頑張って練習しますが、まだまだ道半ばなのでもっと努力して無事に卒業できるようあと1年間頑張りたいと思います。
そしてなんと言っても、念願だった日本一のイ草の産地である熊本県八代市を初めて訪問できたのは大きな収穫でした。
イ草の田植えを体験させていただいたり、畳表の問屋さんを訪問したり、熊本の名所の畳を見学して最高級の畳表はどんなものか教えていただいたり、熊本の方たちと直で話し、現場で自分の目で直接見ることはとても新鮮なことばかりでした。
これからも産地を訪問し見識を高め、茨城のお客様に国産畳表の素晴らしさをお伝えできるよう勉強していきたいと思います。
昨年から始めた地域貢献活動でも多くのチャンスをいただく事ができました。
2月には物産展、講演会、懇親会を行う、「茨城県商工会青年部連合会 絆プロジェクト2015」というイベントの実行委員長をさせていただきました。
メンバーは茨城県内の各市町村代表の商工会青年部でエースとして活躍する方達ばかり。
自分より遥かに経験や実力のある商売の先輩方をまとめる大役はとてつもないプレッシャーでした。
しかし、そんな身に余る大役をなんとか無事に務めることができて、人として1周りも2周りも大きくなれたような気がします。
また物産展、講演会、懇親会などを行う上での事業の進め方やチーム作り、広報の仕方、初対面の人たちの中に一人で飛び込んでいく度胸など商売につながるたくさんの事を学ぶことができました。
イベントが終わった後も度々集まり、地元茨城県で商売をしていく上で刺激をいただける貴重な仲間作りをすることができました。
東京から出戻り、1から仕事を始めた自分にとってこの方々との絆はかけがえのない財産となったと思います。
地元東海村のボランティアにも参加させていただきました。
7月には東海村商工会青年部の「Tokai kids surfing challenge 2015」という子どもサーフィン体験教室の実行委員長をさせていただきました。
12月には東海村初の駅前イルミネーションを実現させる、東海村「夢を叶える」イルミネーションにも参加させていただきました。
こうした地域の活動に参加させていただく事によって、地域に密着して仕事をする畳屋として沢山の事を学ぶ事ができました。
故郷である茨城県や東海村の魅力や地域のコミュニティでの人と人との繋がりの大切さ、地域イベントの密度の濃い経験と楽しさを体験することができました。
最終日の仕事納めをして、今年の仕事の一覧を見ていて気づいたことがありました。
1年間で地元の同級生から7件ものお仕事をいただいていたのです。
東海村に戻り、初めて知り合った先輩方からのご注文やご紹介いただいたお仕事も加えるともっとたくさんの数になります。
昨年から始めたイベント出店では、出店するたびに必ずかつての同級生や友人・知人の皆さん、そして畳を作らせていただいたお客様が何人も遊びに来て応援してくださいます。
畳屋の仕事を初めてこういった時が本当に嬉しい瞬間です。
それを見ていたあるお客様からは
「自分で商売をしていて誰でもそうしてもらえるわけじゃないよ。
その人の人柄や頑張っている姿を見ているから、みんなが応援しに来てくれるんだよ。」
とおっしゃっていただきました。
「頑張っていれば誰かが見てくれている」という事を胸に刻み、これからも驕り高ぶらず、今年出会った沢山のお客様や応援していただいた皆様のご期待に応えることができるよう今後も精進していきたいと思います。
皆様、今年一年間本当にお世話になりました。
そして2016年も高野好見畳店をよろしくお願い致します!
良いお年を!(^O^)/
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